ここ数年(コロナが流行りだしてから)、〈在宅ワーク〉という働き方が注目を浴びていますね。
巷では、Webデザイン、イラストレーター、動画編集、ライター、転売など様々なノウハウや講座などの情報が飛び交っています。
そんな中、私は〈在宅漫画アシスタント〉という〈在宅ワーク〉をしています。
在宅ワークに関しては、ネットで情報が多く出ているものと、情報が少ないものがありますが、在宅漫画アシスタントに関しては、多少でているかな、という感じですね。
ちなみに、現在私は、小学生低学年男子2人の母親で、長崎のとある田舎町に暮らしています。
ネット上に出ている、在宅漫画アシスタントの情報は、どちらかというと、
日常的に漫画を描くことに慣れ親しんでいて、がっちり漫画アシで生計を立てたい人向けなので、
今回私が書く記事は、
絵をかくことは好きだけど、本格的に漫画を描いているわけではなく、主婦業の傍らに在宅漫画アシスタントをしたい、という人向けです。
私が主婦なので、主婦目線の記事ですが、学生の方とか、漫画家になりたくて、そのつなぎに在宅漫画アシスタントをしたいという方にも、お役にたてる記事になっていると思います。
漫画アシスタントになる方法は人それぞれ違うので、無理強いをするわけではないのですが、ひとつの参考例として、読んでいただければと思います。
では、≪主婦×在宅漫画アシスタント≫の目指し方、第一回目は、
『漫画アシスタントの今昔、在宅漫画アシスタントって何?』について書いていきます。
目次
どうして在宅漫画アシスタントになったの?
まず、私がどうして在宅漫画アシスタントになったかの流れをかいていきます。
この話を読むと漫画アシスタント業界の流れが何となく分かるかな(;^_^A
〇 十数年前、向こう見ずで、世間知らずな漫画家になりたかった田舎者の私は、漫画アシスタントになりたくて東京に上京。
〇 J.A.C.(Japan Assistants Club)「お仕事・人材探し専用掲示板」(漫画家と漫画アシスタントをつなぐネット掲示板)を利用して通いのアシスタント先を探す。
すったもんだありながら、漫画アシスタントしながら生活する。
〇 漫画アシスタントの傍ら、出版社に漫画投稿するもまったく芽も出ず(;^ω^)、30歳突入を期に漫画アシを辞めて田舎に帰る。
(デジタルで漫画描く人がちらほら出てくる(噂でよく聞くようになった)。
漫画を描くソフトのコミックスタジオ(ComicStudio)でアナログで描くのと同程度のものがデジタルで描けるようになったようだ。)
〇 帰郷後、半年ぐらい廃人になるw
すったもんだあって、東京でのアシスタント先の先生がデジタルで漫画を描き始めたので、一緒に試行錯誤しながら、在宅漫画アシスタントを始める。
(この頃がデジタルへの移行期かな?アナログよりデジタルで漫画描く人が増えてくる)
〇 コミックスタジオ(ComicStudio)のサポート打ち切りが決まり、クリップスタジオ(CLIP STUDIO PAINT)が新しく販売され、急速に漫画のデジタル化が進む(他の業界でも色んなもののデジタル化が進む)。
漫画描く道具も値段が上がり続けて(主にトーン代)、紙でやるのが難しくなる。
〇 色々あって、結婚する。子供が生まれて、育児に専念する。
(この時は、アシスタントは休止。たまに教育漫画の仕事していた)
〇 二人目の子供も幼稚園に入ったので、ぼちぼち在宅漫画アシスタントを再開する。
子供が二人とも小学生になる。(イマココ)
漫画アシスタントを辞めた時は、(東京から離れると漫画アシスタントはもうできないだろう)と思っていました。
子供の頃から、絵を描く以外褒められてことがなく(勉強も運動も話すことも苦手な陰キャw)、漫画アシスタント以外はアルバイトしかしたことがなく、自分には何も残ってないと思ったら絶望しかなくて、田舎に帰って半年ほど再起不能になっていましたが、
運がいいと言うか、時代の進化というか、インターネットとパソコンとアプリなどのおかげで、田舎にいながら漫画アシスタントという、昔では考えられないことが出来るようになりました。
漫画アシスタントの今昔
まだ、漫画をアナログで描くことが支流だった頃、
漫画アシスタントで生活していくには、基本的に東京周辺じゃないと厳しかったです(出版社がほぼ東京ですしね)。
週刊連載の漫画家さんなら、その作家さんだけでもやっていけたかもしれませんが、隔週、月間、隔月とかだと、アシスタント先の掛け持ちで3,4か所とか当たり前でした。
経費とか、締め切りの関係で、数日泊まり込みで仕事することが多くて(通いも、数か所あったが)、食事と睡眠以外は机に向かっていたし、結構シビアで、女性は独身の人が大半でした(結婚している人も会ったことがあるけど少なかった)。
不安定な仕事(保証ナシだし)だし、地元が東京近辺じゃなく地方の人は、一定の年齢になると辞める人も少なくなかったです(私も辞めましたし(;^ω^))。
そんな中、デジタルで漫画が描けるようになって、漫画アシスタントの世界も様変わりしました。
まず、地方でも漫画アシスタントができるようになったこと。
漫画アシスタントの収入では、物価、家賃の高い東京では生活していくのに非常に厳しいものがありました。
東京暮らしの時の1ルームの家賃で、田舎だと3LDKとか借りれたりしますしね。
東京では安い賃金も、田舎では普通並みだったりしますし(田舎の最低時給が安いからだけど(泣))。
それと、田舎でクリエイティヴ系の仕事が出来るって貴重ですよね!
どこでも出来るということは、結婚して、旦那さんが転勤になっても同じ仕事ができますし(海外でも大丈夫)、引っ越ししても、新しく仕事を探さないでいいということはすごく気が楽ですね。
まあ、その分人付き合いが希薄になるんですけどね(;^_^A
あと、近所の人に、あそこの奥さん働きもしないで1日中家にいて何してるのかしらと思われていること必須ww
人の目が気にならない人ならいいんだけどね。
あと、クリップスタジオのおかげで、仕上げ作業が凄く楽になりました。
アナログの時は、消しゴム掛けは重労働wだし、トーン貼りは細かくて、トーンは大量に散らかるし、体に張り付くし、トーン削りは腕へのの負担半端ないし、インクはこぼすし、ペンは刺さるし、ホワイトはすぐ固まるし、集中線は一発勝負だし、雨の日には紙が湿気るし、、その他もろもろ、クリップスタジオのおかげで、綺麗に解決されました!
それと、歳をとるごとに進む老眼に優しい(拡大できるから)、30歳過ぎたあたりから焦点が合いにくくて、アナログだとほんとにきつかったww
それと、漫画アシスタントの間口が広がったと思います。
以前は、田舎から漫画アシスタントになるために東京に上京してくる人は、漫画家になりたいから出てくる人がほとんどでした。
でも今は漫画家になりたいから、漫画アシスタントをしたいという人より、クリエイティヴ系の在宅ワークがしたいからという人も増えていると思います。
東京にでなくてもいいということで高い壁が取り払われた感じですね。
昔と違って、ネット上に自由に自分の作品を出せるようになったので、在宅ワークしながら、自分の作品はSNSに発表するみたいな、多様性に富んだ活動の幅も増えてきたと思います。
在宅漫画アシスタントになるために何から始めたらいい?
漫画アシスタントの仕事は、基本、仕上げ作業と背景に分けられます。
背景は技術が必要なので、仕上げより報酬が高くなります。
仕上げ作業は、CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)の機能を覚えられ、使いこなせれば、大抵の人はできるようになると思います。
もし、在宅漫画アシスタントになりたいけど、普段から漫画を描いていない方は、背景はひとまず置いておいて、仕上げ作業の漫画アシスタントから始めるのがいいと思います。
なぜなら、背景というのは一朝一夕でできるようになるものではないからです。
アナログの頃は現場でもまれて、先生やベテランアシさんに指導され、さらに自分で努力して、数か月~年単位でできるようになるものです。
習得には時間がかかるので、収入を得るためにも、まずは、仕上げ作業から入るのがいいと思います。
(主婦の方は仕事できる時間も限られているので、本格的なプロアシになるやり方とは分けて考えた方が良いです。子供がいる場合は、子供の成長に合わせて、仕事時間も変わってくるので段階的にステップアップしていくのがいいと思います。)
でも、仕上げ作業がどんなもので、何を覚えればいいかは、漫画アシスタント業界を知らない方は分からないことも多いと思いますので、後の記事で別で解説したいと思います。
漫画アシスタント先の探し方〈主婦編〉
現在、漫画アシスタント先を探すには、GANMO(がんも)(漫画家と漫画アシスタントマッチングサイト)が人気です。
GANMOには、漫画家さん側が書き込む場合とアシスタント側が書き込む場合があります。
お互いの条件をみて応募するのですが、
漫画家さんがアシスタントさんを探す募集要項は、主婦だと条件が合わないと思います。
もともと、がっちり入るのは無理ですからね。
漫画家さんが書き込むのは、大抵連載とかもってる人が多いです。そういう方は、作業時間が長時間になります。
でも、漫画家さんの中には、私のように主婦の人も多いですし、漫画作業の少しだけ手伝って欲しい人や、1日だけのヘルプとか、1日数時間だけでいいとか、同人作家で、作業が不定期とか、様々な作家さんがいます。
(ネット上の漫画も増えて、紙媒体だけでなく、様々な漫画形態が出ているので、働き方も人それぞれです。)
そういう漫画家さんは、アシスタント側の書き込みを見て声かける人が多いんですよね。
(自分で募集をかけるのは面倒だったりしますしね。)
ここだけの話、主婦漫画家さんと主婦アシスタントさんは相性がいいです。
私も、主婦の漫画家さんと仕事をしているのですが、お互い子供がいるので、子供の病気や、学校行事などで急な休みが必要になった時は、お互い様なので、ギスギスならずに気が楽です。
会話の共通点も多いですしね。
私は、アシスタント先の希望を書く時、条件として
5時間程度(短時間でも可)、稼働時間は9時~3時の間(終わらない時は深夜作業も可)
土、日は子供がいるので休み、子供が熱を出した時など急遽休むことがある。臨時、ヘルプ(1日のみでも可)も可能。
という風に、こちらの条件をはっきり書きます。
こちらにも条件がある代わりに、そちらの条件にも譲歩して条件をすり合わせて、(子供の病気などでその日の仕事が急にキャンセルになってもかまいませんよとか、夏休み期間中は仕事が減っても大丈夫とか)お互いマッチする人を探すという感じです。
まあ、なにより信頼関係が気づけるかが重要なので、真摯に向き合うことが大切ですね。
1回目で見つからなくても、あきらめないで下さいね。違う時期に新しく探しに来る方の目にとまるかもしれません。
そのためにも、CLIP STUDIO PAINTの機能をしっかり学習して、使いこなせるようになって下さい。
主婦に在宅漫画アシスタントがおすすめな理由
在宅漫画アシスタントは縁の下の力持ちで、地道な作業の繰り返しです。
一見するとパッとしない仕事かもしれません。
これが自分の作品です、みたいに吹聴できるわけでもありませんしね。
イラストレーターやWebデザイナーとかの方がかっこよさげではありますね。
でも、漫画家さんと信頼関係が築けると、継続的に仕事ができることが魅力なのですよね。
新しいクライアント探し続けることもしないでいいし、漫画家さんの連載が終わって仕事がなくなっても、現状がアシ不足なので、次を探すのには困らないんですよね。
主婦が探す在宅ワーク(資格なし)って低賃金が多いですけど、漫画アシスタントはすごく高くはないですけど、アルバイト代くらいはもらえますし、
在宅でアルバイト代もらえるって、主婦の方にとってはありがたいと思うんです。
在宅でできると、子供が学校から帰ってきた時、家で見守れるし、職場の人間関係に悩まされずにすみますからね。
でも、主婦の方にはおススメできるのですが、若い方にはおススメできないところがあって、何故かというと、人付き合いが希薄になるので、世間の常識からはかけ離れていくので、仕事の他で人付き合いが成立するならいいんですが、そうでないなら、在宅漫画アシスタントは孤独な仕事なので、その辺の覚悟がいりますね。(田舎だとニートに間違えられるし、、)
これから書く記事について(予定)
今回はこの辺で締めたいと思います。
これからの在宅漫画アシスタントに関する記事は、
・在宅漫画アシスタントで必要な道具やアプリ、サイトについて
・仕上げ作業のいろは(CLIP STUDIO PAINT)
・カラー彩色など(あまり詳しくないので描くか未定)
・3D、背景に関する小話
などを予定しています。
仕事の合間に書いていくので書き上げるまで時間がかかるかもしれませんが、
出来た時には、見に来て頂けたら嬉しいです。
『バクマン。』原作・大場つぐみ、作画・小畑健
漫画家を目指す二人の青年の話。漫画アシスタント関係の話も出てくるので、少し前のアナログ漫画時代の雰囲気が感じられる漫画。
誇張も多少あるが、リアル感重視の漫画なので、元アナログアシの自分は面白く読めた漫画です。